2024年 医師の働き方改革!病院の薬剤師が行っている取り組み
こんにちは。アシオです。
2023年 12月より休職中のHSP気質の薬剤師です。(2024年2月現在)
2024年4月より『医師の働き方改革』が始まることをご存知でしょうか?
先日、病院で薬剤師をしている友人とこの話題になり、『医師の業務負担を減らす』ために取り組んでいることについて聞きました。
今回は医師の業務負担を減らすための『薬剤師の取り組み』について一例をご紹介したいと思います。
・医師の働き方改革に興味がある薬剤師
・実際に取り組んでいる事例を知りたい人
医師の働き方改革とは?
医師の働き方改革とは簡単に言うと、
「長時間労働の医師の負担を減らしましょう!」 です。
病院で勤めている医師の40%は月に80時間を超える残業をしているそうです。
2024年4月以降、医師の時間外労働時間の上限は原則年960時間、月100時間未満になり、追加的健康確保措置が義務化されます。
日本の医療は医師の自己犠牲(長時間労働)に支えられているのが現状です。
一方、『医師の過労』により医療ミスが増えているのも事実です。
日本外科医学会が外科の医師を対象に行ったアンケート調査において、「医療事故は何が原因と考えるか(複数回答可)」という問いに対し、最も多かった答えは「過労・多忙」(81.3%)でした。
キーワードは『タスクシフト・シェア』!
『タスクシフト・シェア』とは、医師以外のコメディカル(薬剤師や看護師) が『医師の業務の一部』を担当、分け合うことです。
『医師でなくてもできる業務』を他の医療従事者で分担することで、医師の業務負担を減らし、それぞれの専門性を最大限発揮することで質の高い医療を提供しようという考え方です。
友人が勤める病院
友人薬剤師 : Yくん
薬剤師歴 : 10年
病床数 : 約200床
薬剤師数 : 8人
今後実施予定の業務
① 入院患者の処方提案
友人の勤める病院では、『入院中の服用薬』について薬剤師が提案することが多いようです。
⑴ 入院患者とのヒアリングで『処方内容を仮入力』
⑵ 医師がその入力を確認して『問題なければそのまま発行』
という流れが進んでいるようです。
② 院外処方箋の入力
病院の外来で処方箋の入力は基本的に『医師』や『クラーク(事務)』が医師の指示を受けて代わりに行うところが多いです。
忙しい業務の中、1日に何百人という患者を相手にすれば入力に誤りが出てくることもあります。
友人の病院では、
『この入力作業』に薬剤師が介入できないか?
と考えているようです。
薬剤師が入力を代行することで、『処方薬に間違いがないか』、『処方量』や『飲み合わせに問題がないか』をその場でチェックすることができます。
これらの業務を実施する上での課題
どんな改革でも、問題に挙がるのは『人件費の問題』です。
先ほどの②『院外処方箋入力』は医師の指示があれば、医療事務などが代わりに行うことができます。
この作業を『約2倍の人件費』を払って薬剤師が行うメリットを提示する必要があります。
今後薬剤師全体で意識すべきこと
今回、友人の話を聞いて「医師の働き方改革」のために、業務の一部を薬剤師が担っていく必要があると感じました。
そのためにも、医師との連携は欠かせません。
日頃から『密なコミュニケーション』を築いていく必要があります。
医療サービスを受ける方(患者)ができること
病院を受診する方々にもできることはあります。
① 安易に病院を受診しない!
新型コロナやインフルエンザが流行している昨今、病院を受診する人が多いですが、本来風邪程度で病院を受診するのは控えるべきです。
風邪は暖かくしてゆっくり休めば自然と治ります。
また、風邪(上気道感染)の90%はウイルスが原因です。
抗生剤は効きません。
軽い症状であれば、ドラックストアで市販薬を買って一度様子をみてもいいかもしれません!
② 時間外の受診を控える!
『夜間』や『休日』の受診を控えれば、医師の負担を減らすことができます。
命の危険があるなど、のっぴきならない事情がある以外はなるべく控えるべきです。
私が勤める薬局で、平日も来れるが『日曜日の方が空いてる』という理由で病院や薬局を利用する患者もいます…
③ 日頃から健康を意識する!
薬を服用する患者と話していると
『薬を飲んでるから大丈夫!』
と考えている方が一定数いる印象です。
薬は病気を治しているのではなく、病気が原因で起こる様々な疾病(心筋梗塞や失明など)を抑えているだけです。
日頃の生活習慣を見直して、自分の健康は『自分で責任を持つ』という姿勢が大切です。
まとめ
『医師不足』や『高齢化社会』に伴い、医師の過労が問題となっています。
そのために、医師の業務の一部を他のスタッフが担うタスクシフトは重要となってきます。
友人の勤める病院のように、『薬剤師の職能を活かす機会』は益々増えていくことでしょう。
一方、医療を受ける側の意識改革も必要です。
国民1人1人が『医師の負担を減らす意識』を持てば、自ずと医師の負担は減っていくと思います。