薬剤師の年収が上がりにくいのはなぜ!?インフレに弱い理由とその対処法

こんにちは。アシオです。
2023年 12月より休職中のHSP気質の薬剤師です。(2024年2月現在)
薬剤師は元々の年収が高く設定されていますが、昇給しにくい職業だと思います。
その原因として『インフレに弱い業種』という点が挙げられます。
今回は薬剤師の年収が上がりにくい理由と、その対処法について書きたいと思います。
・なかなか上がらない年収に焦っている人
・給料は上げたいが、管理職に魅力を感じない人
・副業に興味がある人
年収が上がりにくい理由
① 社会保障費の減少

日本は少子高齢化が進んでいる国です。
総人口に占める高齢者人口の割合の推移をみると、1950年(4.9%)以降一貫して上昇が 続いており、1985年に10%、2005年に20%を超え、2023年は29.1%と過去最高を更新して います。
また、高齢化率も世界1位で社会保障費が逼迫する原因となっています。
世界の高齢化率 2020年の世界の主要国における高齢化率をみてみます(図1)。 高齢化率の世界のトップ3は、日本(28.6%)、ドイツ(21.7%)、フランス(20.8%)です。
病院や薬局で掛かる医療費の『7〜10割』(年齢や生活保護受給などで前後する)は税金で賄われるため、税金を納める若年層が減り、医療を受ける割合の多い高齢者が増えることで社会保障が圧迫されつつあります。
② 薬剤師数が年々増加している

薬剤師の数は年々増加しています。
一般企業と違い、収入の大部分が社会保障に依存するため、突き抜けた収益を上げにくい業態です。
プレイヤーが増えれば増えるほど、1人当たりの取り分が減っていくのは仕方ないことです。
薬剤師数は1970年ごろから一貫して増加傾向にあり、2018年末の時点で31万1,289人、前回調査の2016年から3.3%増加しています。
③ インフレに弱い

薬剤師業界はインフレにとても弱い業種です。
インフレとは物価(モノの価値)が上がることです。
インフレとは「Inflation(インフレーション)」の略語で、モノやサービスの価格(物価)が継続して上昇することです。
たとえば、1個100円で販売されていた商品が、翌年には1個110円になっているようなケースがインフレです。インフレが起きると価格が上がり、同じ金額で同じ商品を買うことができなくなります。同じ金額で購入できるモノやサービスが減るため、インフレが起きるとお金の価値は相対的に下がります。
通常の飲食店や不動産業、車販売店などは物価の上昇で、『メニューの値段を上げたり』、『賃料を上げたり』、『車の値段を上げる』ことができます。
しかし、医療は物価が上がったからと言って、サービスの価格を個人が勝手に変えることができません。
調剤薬局の場合、診療報酬という基準でサービスの点数が決められています。
これから、物価がどんどん上がっても昇給率が年2,000〜3,000円ということが続いていく考えられます。
④ 営業成績が反映されにくい

例えば個人の努力で薬局に来てくれる患者が10人増えたとします。
処方箋1枚あたりの単価が5,000円として、月に50,000〜100,000円の利益を上げたとしても恐らくその人の給与に反映されないでしょう。
なぜなら、グループ全体の売り上げに対して微々たる変化でしかないためです。
調剤薬局は『個人の成果』がなかなか反映されにくい業態です。
対処法 『副業を始めて薬剤師以外の収入源を作る!』
副業を推す理由
なぜ副業を推すのか?その理由は以下になります。
・『転職』で年収の増加を目指すには、突出したスキル or 地方への勤務が必要
・昇進(管理職に就く)は席数が減ってくるので難しくなる
転職で年収を上げる場合…
転職で大きく年収を上げるには、突出したスキルを持つか、薬剤師が不足している地域への移住が必要となります。
私の知り合いに年収を大きく上げた方が2名います。
『ケース①』

1人目は調剤薬局から調剤薬局への転職で年収を1,000万にした方の例です。(以下Aさんとします。)
Aさんは、調剤薬局で働く薬剤師でした。
通常の薬剤師業務を淡々とこなす中、『これから施設に入居している患者の薬を管理する業務が求められるようになる』と考え、近隣の施設に飛び込み営業を行い、1施設あたり300万の利益を上げ会社に大きな貢献をしました。
そして、その実績を引っ提げ、他の薬局へ年始1,000万での転職を成功させました。
『ケース②』

2人目は地方への転職で年始を800万に上げた例です。
その方は、私と同じ調剤薬局に勤める管理薬剤師でした。(以後、Bさんとします。)
Bさんは外交的で交友関係も広く、薬剤師の知り合いも多かったです。
ある日、Bさんはフリーランス薬剤師として働くCさんに『地方で管理薬剤師ができる人材を探している社長がいる』という話を聞きました。
比較的、都市部で働いていたBさんでしたが、キャンプが趣味なほど自然が大好きな方で、独身ということもあり、Cさんの紹介でその薬局へ転職しました。
他にも色々な方の転職体験談を聞きましたが、薬剤師数が飽和しつつある現在において大幅な年始アップができる人材はごく僅かだと考えます。
・他者を圧倒する突出した武器、営業成績
・薬剤師が不足している地域への転職
これらがないと、業界内で転職しても年収の変化に大きな差が生まれないと考えます。
昇進(出世)は誰もが選ばれるわけではない

では、昇進(出世)を狙うのはどうでしょうか?
順調に出世して給与を増やすことは、王道のやり方ですね。
ただし、その限られた席に全員が入れるわけではありません。
医療費が圧迫されている背景に調剤薬局の店舗数増加を上げる政治家もいます。
その証拠に我々の給与に関わる調剤報酬は2年に1回の改定を受けて、減る一方です。
全国で6万軒を超える調剤薬局の大部分を占めるのが、病院やクリニックの近隣にある門前薬局です。しかし、2022年度(令和4年度)調剤報酬改定では、対物業務の評価は実質的な引き下げとなり、処方箋調剤を行うだけでは十分な利益を確保することが難しくなっています。
おそらく、調剤薬局の数はこれから減り続けるでしょう。
そんな中、薬剤師の数は増えているおり、管理者のポストもどんどん少なくなっていきます。
むしろ、薬剤師の大規模なリストラが起こり、一般薬剤師として働くのが難しい時代が迫っていると言えます。
会社に依存せず、稼ぐ手段を身につける!

私が考えるオススメの年収アップ方法として”副業“を推します。
薬剤師は『副業』や『フリーランス』に挑戦しやすい恵まれた職業と考えます。
関連記事 薬剤師 挑戦しやすい
例えば、副業で 月5万稼げれば年収ベースで60万増やすことができます。
これは私が勤める大手調剤薬局の『薬局長手当』に相当する年収増加になります。
また、副業であればリスクを下げて取り掛かることができます。
休みの2日で副業に挑戦して、本業で生活を安定させて戦うことができます。
また、薬剤師の知識はさまざまな副業に活かすことができます。
・薬の知識を活かしたブログ、SNSの運営
・医療の知識を活かしたライティング業
・ドラッグストアなどで週2日 単発のバイト など
他の職種と比べて取り掛かりやすいです。
また、副業を通して顧客を獲得していれば独立もしやすくなります。
仮に独立に失敗しても、薬剤師であれば再就職もそこまで難しくはないと思います。
まとめ
薬剤師だから将来安泰という時代は終わりを告げています。
『インフレによる影響』や『上がらない年収』で生活が苦しくなる人も増えてくるかもしれません。
ただ、まだまだ収入が安定しているのは事実です。
また、副業やフリーランスとして独立もしやすい職業だと考えます。
大切なことは「自分で考えて行動すること」です。
「まだまだ安定しているから大丈夫」「定年まで無難にやり過ごそう」と考えていては近い将来足元を掬われる可能性もあるので、危機感を持って行動していきましょう!
