医療ライターを目指している人へ!医療広告の定義と具体例
こんにちは。アシオです。
2023年 12月より休職中のHSP気質の薬剤師です。(2024年3月現在)
医療系のウェブライティングをする際は『薬機法』を遵守する必要があります。
医療広告はその特性上、薬機法により厳しく取り締まわれています。
今回は、『医療広告の定義』と『具体例』について書きたいと思います。
・薬機法を勉強している人
・医療広告の定義と具体例について知りたい人
薬機法が規制するもの
薬機法が規制するものは下記の5つになります。
① 医薬品
② 医薬部外品
③ 化粧品
④ 医療機器
⑤ 再生医療等製品
これらについて以下のような規制がなされており、違反すれば『中止命令』や『罰則』が科される可能性がある。
何人も医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器または再生医療等製品の『名称』、『製造方法』、『効能、効果』または『性能』に関して、明示的であると暗示的であるとを問わず、虚偽または誇大な記事を広告、記述または流布してはならない(薬機法66条1項)。
広告の定義
次の①及び②の両方の要件を満たす場合に、『広告に該当』するものと判断されます。
① 患者の受診等を誘引する意図があること(誘引性)
② 『医業』もしくは『歯科医業』を提供する者の氏名や名称または病院、診療所の名称が特定可能であること(特定性)
実質的に広告と判断されるもの
例えば上記の『誘因性』や『特定性』を脱法的に免れようとしても、以下のような記載をすれば、広告に該当するものとして取り扱われます。
① 「これは広告ではありません。」「これは、取材に基づく記事であり患者を誘引するものではありません。」との記述があるが、病院名等が記載されている。
② 「医療法の広告規制のため、具体的な病院名は記載できません。」といった表示をしているが、『住所』、『電話番号』及び『WEBサイトのアドレス』等から病院等が特定可能である。
③ 治療法等を紹介する『書籍』、『冊子』及び『WEBサイト』の形態をとっているが、特定の病院等の名称が記載されていたり、『電話番号』や『WEBサイトのアドレス』が記載されていることで、一般人が容易に当該病院等を特定できる。
④ 新しい治療法等に関する書籍等に「当該治療法に関するお問い合わせは、○○研究会へ」 等と掲載されているが、その「○○研究会」や出版社に問い合わせると特定の医療機関(複数の場合も含む。)をあっせん等していることが認められる(いわゆるタイアップ本やバイブル本と呼ばれる書籍や記事風広告と呼ばれるもの)。
⑤ 患者等に広告と気付かれないように行われる、いわゆる『ステルスマーケティング』等で、『医療機関が広告料等の費用負担等の便宜を図って掲載を依頼』している。
『暗示的』または『間接的』な表現の扱い
医療に関する広告については、直接的に表現しているものだけではなく、当該情報物を全体でみた場合に、『暗示的』や『間接的』に医療に関する広告であると一般人が認識し得るものも含まれます。
そのため、次のようものは『医療に関する広告に該当する』ので、『広告可能とされていない事項』や『虚偽・ 誇大広告等』に該当する場合には認められない。
『名称』または『キャッチフレーズ』により表示するもの
① アンチエイジングクリニックまたはアンチエイジング
『アンチエイジング』は診療科名として認められておらず、また『公的医療保険の対象』や『薬機法上の承認を得た医薬品等による診療の内容』ではなく、広告としては認められない。
② 最高の医療の提供を約束!
「最高」は最上級の比較表現であり、認められない。
写真、イラスト、絵文字によるもの
① 病院の建物の写真
当該病院の写真であれば、広告可能である(法第6条の5第3項第7号)
しかし、他の病院の写真は認められない。
② 病人が回復して元気になる姿のイラスト
『効果』に関する事項は広告可能な事項ではない。また『回復を保障すると誤認を与えるおそれ』があり誇大広告に該当するので認められない。
新聞、雑誌等の記事、医師の談話、学説、体験談などを引用または掲載することによるもの
① 新聞が特集した治療法の記事を引用するもの
医療法第6条の5第3項第12号で認められた「治療の内容」の範囲であり、改善率等の広告が認められていない事項が含まれていない場合には引用可能である。
② 雑誌や新聞で紹介された旨の記載
自らの医療機関や勤務する医師等が『新聞』や『雑誌』等で紹介された旨は広告可能な事項ではないので、広告は認められない。
③ 専門家(医師など)の談話を引用するもの
専門家の談話は『その内容が保障されたもの』と著しい誤認を患者等に与えるおそれがあるものであり広告可能な事項ではない。また、薬機法上の未承認医薬品を使用した治療の内容も、広告可能な事項ではなく広告は認められない。
病院等の web サイトのURLやEメールアドレス等によるもの
① www.gannkieru.ne.jp
ガン消える(gannkieru)とあり、癌が治癒することを暗示している。治療の効果に関することは広告可能な事項ではなく、また治療を保障している誇大広告にも該当し得るものであり認められない。
② nolhospi@xxx.or.jp
「nolhospi」の文字は、「No.1Hospital」を連想させ、日本一の病院である旨を暗示している。「日本一」等は、比較優良広告に該当するものであり認められない。
まとめ
医療広告の定義と具体例について書きました。
薬機法上、認められない広告があるので記載には注意が必要です。
依頼する企業も『薬機法の知識を有するライター』に依頼したいと考えているため、YMAA認証マークは『一目で薬機法の勉強をしていること』を企業に伝えるために役立ちます!
引き続き薬機法について解説していくので、是非ご覧ください。