褥瘡治療薬(外用薬)ついて解説!病態と基剤の違いよる使い分け
こんにちは。アシオです。
2023年12月に心身的な体調不良を発症して休職…(2024年4月末まで)
その後、約4年勤めた調剤薬局を退職したHSP気質の薬剤師です。
SNSで若手薬剤師向けの勉強アカウントを運営しています。
褥瘡治療薬(外用薬)は種類が多く、混乱してしまう分野です…
今回は『褥瘡の病態』と『基剤の違いによる使い分け』についてまとめたいと思います。
・薬剤師1〜3年目の人
・『褥瘡の病態』と『基剤のよる使い分け』について学びたい人
褥瘡(床ずれ)とは?
褥瘡(床ずれ)とは、『寝たきりになった人』に起こりやすい皮膚疾患です。
身体に外力が加わり、骨や皮膚表面の間(軟部組織)の血流が低下した状態が長時間続くことで起こる組織の不可逆的な阻血性障害です。
深い褥瘡の場合、『色分類』と呼ばれる病相分類が用いられます!
それぞれの時期や状態により、選択される外用薬が異なります!
詳しくは下記ブログをご覧ください!
基剤の違いによる使い分け
基剤の特性を活かした薬剤の選択
褥瘡治療薬は、創面の状態で使用する外用薬が変わります。
水溶性基剤
水溶性基剤は『過剰な創面』に使用することが多いです!
水溶性基剤 : 吸水性(水分の吸収)あり!
→ 過剰な滲出液を吸収する!
代表的な基剤 : 『マクロゴール』
乳剤性基剤(O/W型)
乳剤性基剤(O/W型)は水分量の多いため、『過小な創面』に使用することが多いです!
乳剤性基剤(O/W型) : 補水性(水分の供給)あり!
→ 基剤に含まれる多量の水分が滲出液の少ない創へ水分を補う!
代表的な基剤 : 『バニシングクリーム』
油脂性基剤、乳剤性基剤(W/O型)
油脂性基剤、乳剤性基剤(W/O型)は『乾燥した創面』に使用することが多いです!
① 油脂性基剤 : 保湿性(創面の保護)あり!
→ 基剤の油分で創面を覆い、滲出液を創面に留める!
代表的な基剤 : 『白色ワセリン、プラスチベース、単軟膏、亜鉛華軟膏』
② 油分の多い乳剤性基剤(W/O型)
代表的な基剤 : 吸水軟膏、親水ワセリン、ラノリン
まとめ
『褥瘡の病態』と『基剤のよる使い分け』について書きました。
・水溶性基剤 : 吸水性(水分の吸収)あり!
→ 過剰な滲出液を吸収する!
・乳剤性基剤(O/W型) : 補水性(水分の供給)あり!
→ 基剤に含まれる多量の水分が滲出液の少ない創へ水分を補う!
・油脂性基剤、油分の多い乳剤性基剤(W/O型) : 保湿性(創面の保護)あり!
→ 基剤の油分で創面を覆い、滲出液を創面に留める!
引き続き皮膚科領域の薬についてまとめていくので是非ご覧ください!
今回の記事を書くにあたり『下記図書』を参考にしました!
分かりやすくまとまった良書なのでご興味ある方は是非手に取ってきてください!