抗不安薬ざっくり比較シリーズ②中時間作用型の使い分けについて解説
こんにちは。アシオです。
2023年 12月より休職中のHSP気質の薬剤師です。(2024年4月現在)
SNSで若手薬剤師向けの勉強アカウントを運営しています。
抗不安薬は品目が多く、『作用時間』や『薬効の比較』を覚えるのが難しい分野です。
今回は抗不安薬の中でも『中時間作用型』に絞って使い分けなどをまとめたいと思います。
・薬剤師1〜3年目の人
・抗不安薬の使い分けに自信がない人
・短時間作用型 抗不安薬の使い分けを勉強したい人
抗不安薬(マイナートランキライザー)とは?
抗不安薬とは『別名:マイナートランキライザー』と言い、主に『神経症』や『うつ病』、『心身症』などに利用されます。
『比較的軽度の不安の緩和』や『気分を落ち着かせる』などに使うことが多いです。
ジアゼパム等価換算
『ジアゼパム等価換算』とは、抗不安薬を比較するために『ジアゼパムを基準に換算したもの』です。
下記表は『中時間作用型抗不安薬』とジアゼパムの換算値を比較したものになります。
薬品名 | 換算値 |
アルプラゾラム(ソラナックス、コンスタン) | 0.8 |
ロラゼパム(ワイパックス) | 1.2 |
ブロマゼパム(レキソタン) | 2.5 |
ジアゼパム(セルシン、ホリゾン) | 5 |
引用:本当にわかる精神科の薬 はじめの一歩
中時間作用型 抗不安薬の比較
ロラゼパム(ワイパックス)
規格:0.5mg、1mg
適応
・神経症における『不安・緊張・抑うつ』
・心身症(自律神経失調症、心臓神経症)における身体症候並び『不安・緊張・抑うつ』
Tmax = 2時間
T 1/2(半減期) = 12時間
ジアゼパム等価換算:1.2
アルプラゾラム(ソラナックス、コンスタン)
規格:4mg、8mg
適応
・心身症(胃・十二指腸潰瘍、過敏性腸症候群、自律神経失調症)における身体症候ならびに『不安・緊張・抑うつ・睡眠障害』
Tmax = 2時間
T 1/2(半減期) = 14時間
ジアゼパム等価換算:0.8
ブロマゼパム(レキソタン)
規格:1mg、2mg、5mg
適応
・神経症における『不安・緊張・抑うつ及び強迫・恐怖』
・うつ病における『不安・緊張』
・心身症(高血圧症、消化器疾患、自律神経失調症)における身体症候並びに『不安・緊張・抑うつ及び睡眠障害』
・麻酔前投薬
Tmax = 1時間
T 1/2(半減期) = 20時間
ジアゼパム等価換算:2.5
まとめ
『中時間作用型抗不安薬』についてざっくりまとめました。
・ロラゼパム(ワイパックス)は、『強い抗不安作用』と『容易な代謝経路』のため高齢者や肝機能障害者にも使いやすいです!
・アルプラゾラム(ソラナックス、コンスタン)は、『中間型抗不安薬の中で一番強い抗不安作用』があります!
・ブロマゼパム(レキソタン)は『適応も広く』、『使用量に幅がある』ため調節がしやすいです!
引き続き、抗不安薬についてまとめていくので是非ご覧ください!
今回の記事を書くにあたり『下記図書』を参考にしました!
分かりやすくまとまった良書なのでご興味ある方は是非手に取ってきてください!