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精神科
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【薬剤師向け!】長時間作用型ベンゾジアゼピン系抗不安薬の比較!セルシン・リボトリール・セパゾン・セレナールの違いを徹底解説!

フリーランス薬剤師 ハル
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こんにちは。フリーランス薬剤師のハルです。

フリーランス薬剤師は「即戦力」としての勤務が求められるため、幅広い知識が必要となります!

抗不安薬は品目が多く、『作用時間』や『薬効の比較』を覚えるのが難しい分野です…

今回は抗不安薬の中でも『長時間作用型』に絞って使い分けなどをまとめたいと思います。

こんな方に読んでほしい

・薬剤師1〜3年目の人
・抗不安薬の使い分けに自信がない人

・長時間作用型 抗不安薬の使い分けを勉強したい人

ハル
ハル

今回の記事は『下記の図書』を参考に作成しました!

抗不安薬(マイナートランキライザー)とは?

抗不安薬とは『別名:マイナートランキライザー』と言い、主に『神経症』や『うつ病』、『心身症』などに利用されます。

比較的軽度の不安の緩和』や『気分を落ち着かせる』などに使うことが多いです。

ジアゼパム等価換算

ジアゼパム等価換算』とは、抗不安薬を比較するために『ジアゼパムを基準に換算したもの』です。

下記表は『中時間作用型抗不安薬』とジアゼパムの換算値を比較したものになります。

数字が小さいほど『強く』、大きいほど『弱い』です!

薬品名換算値
クロナゼパム(リボトリール、ランドセン)0.25
フルジアゼパム(エリスパン)0.5
クロキサゼパム(セパゾン)1.5
ジアゼパム(セルシン、ホリゾン)
オキサゾラム(セレナール)20
ジアゼパム等価換算(長時間作用型抗不安薬との比較)
引用:本当にわかる精神科の薬 はじめの一歩

詳しくは下記記事をご覧ください!

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長時間作用型 抗不安薬の比較

ジアゼパム(セルシン、ホリゾン)

規格:1mg、2mg5mg

適応
・神経症における『不安・緊張・抑うつ』
・うつ病における『不安・緊張』
・心身症(消化器疾患、循環器疾患、自律神経失調症、更年期障害、腰痛症、頸肩腕症候群)における身体症候並びに『不安・緊張・抑うつ』
・下記疾患における『筋緊張の軽減』
脳脊髄疾患に伴う筋痙攣・疼痛

・麻酔前投薬

Tmax = 1時間

T 1/2(半減期) = 27〜28時間

ジアゼパム等価換算:

『ジアゼパム』と比較したそれぞれの作用

抗不安作用筋弛緩作用鎮静・催眠作用抗痙攣作用静穏作用
(馴化作用)
強いやや強い中等度やや強いやや強い
参考図書 : こころの治療薬ハンドブック
本当にわかる 精神科の薬 はじめの一歩

特徴
① ベンゾジアゼピン系 抗不安薬の” 代表的な薬剤

豊富な剤形!(注射剤の場合 → 筋注静注 の選択が可能!)

 → 経口薬が使用できない場合も処方できる!

用量幅も広い → ” 幅広い病態(適応)”に利用される!

 ・アルコール依存症の離脱症状の軽減

 ・てんかん様重積状態における痙攣の抑制  など

抗不安作用、抗痙攣作用、筋弛緩作用をバランス良く併せ持つ!

クロナゼパム(リボトリール、ランドセン)

規格:0.5mg、1mg2mg

適応
・小型(運動)発作[ミオクロニー発作、失立(無動)発作、点頭てんかん(幼児けい縮発作、BNSけいれん等)]
・精神運動発作
・自律神経発作

Tmax = 2時間

T 1/2(半減期) = 27時間

ジアゼパム等価換算:0.25

『ジアゼパム』と比較したそれぞれの作用

抗不安作用筋弛緩作用鎮静・催眠作用抗痙攣作用
強い中等度強い強い
参考図書 : こころの治療薬ハンドブック
本当にわかる 精神科の薬 はじめの一歩

特徴
適応は『てんかん』のみ
(不随意運動の改善にも使用されることが多い!)
② 強い抗不安作用、催眠作用あり!
③ 強い抗痙攣作用も有する!

クロキサゼパム(セパゾン)

規格:1mg、2mg

適応
・神経症における『不安・緊張・抑うつ・強迫・恐怖・睡眠障害』
・心身症(消化器疾患、循環器疾患、更年期障害、自律神経失調症)における身体症候ならびに『不安・緊張・抑うつ』
・術前の不安除去

T 1/2(半減期) = 11〜21時間

ジアゼパム等価換算:1.

『ジアゼパム』と比較したそれぞれの作用

抗不安作用筋弛緩作用鎮静・催眠作用抗痙攣作用静穏作用
(馴化作用)
強いやや弱いやや弱い中等度中等度
参考図書 : こころの治療薬ハンドブック
本当にわかる 精神科の薬 はじめの一歩

特徴
① 不安に対する改善効果は” 長時間 “の中で優れている!

(ジアゼパムより優位な抗うつ効果あり!)
② 筋弛緩作用、鎮静・催眠作用は弱い

③ 中等度の静穏作用(馴化作用)あり

④ 有効例の90%以上で投与開始後の1〜2週間で認められる

オキサゾラム(セレナール)

規格:5mg、10mg

適応
・神経症における『不安・緊張・抑うつ・睡眠障害』
・心身症(消化器疾患、循環器疾患、内分泌系疾患、自律神経失調症)における身体症候ならびに『不安・緊張・抑うつ』
・麻酔前投薬

Tmax = 7〜9時間

T 1/2(半減期) = 50〜62時間

ジアゼパム等価換算:20

『ジアゼパム』と比較したそれぞれの作用

抗不安作用筋弛緩作用鎮静・催眠作用静穏作用
(馴化作用)
弱い弱い弱い中等度
参考図書 : こころの治療薬ハンドブック
本当にわかる 精神科の薬 はじめの一歩

特徴
① 静穏・馴化作用が中心!
② 抗不安作用、催眠作用、筋弛緩作用は弱い

③ 血中半減期は代謝産物含めて56時間!

(24時間で80%以上は尿中へ排泄される!)

④ 副作用発現リスクが低い!

→ ” 高齢者 “や” 小児 “などへの適応範囲も広い!

まとめ

長時間作用型抗不安薬』の特徴違いについてまとめました!

・ジアゼパム(セルシン、ジアゼパム):『豊富な剤形』、『適応』を持ち抗不安作用や抗痙攣作用のバランスが良い

・クロナゼパム(リボトリール、ランドセン): 強い抗不安作用、催眠作用、抗痙攣作用を有する!

・クロキサゼパム(セパゾン)強い” 抗不安作用 “を有する!その他の作用は弱い。

・オキサゾラム(セレナール):鎮静作用あり!その他の作用は弱く、副作用発現リスクが少ない!

引き続き抗不安薬についてまとめていくので是非ご覧ください!

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今回の記事を書くにあたり下記図書を参考にしました!

分かりやすくまとまった良書なので、ご興味ある方は是非手に取ってきてください!

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