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こんにちは。フリーランス薬剤師のハルです。
フリーランス薬剤師は「即戦力」としての勤務が求められるため、幅広い知識が必要となります!
今回は『SNRI(抗うつ薬)の特徴と違い』について書きたいと思います。
こんな方に読んでほしい
・薬剤師1〜3年目の人
・SNRIの使い分けに自信がない人
・SNRIの比較や違いを学びたい人
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SNRIとは?
SNRI(Serotonin Noradrenaline Reuptake Inhibitor)は脳内の『セロトニンとノルアドレナリンの再取り込みを阻害』して『セロトニン・ノルアドレナリン増加』させ、『抑うつ』や『不安症状』を緩和する薬です。
ノルアドレナリン作動神経に作用することでSSRI比べて『意欲向上』の作用が期待でき、SSRIと比べて『作用発現が早い』とされています!
現在、販売されているSNRIは『3種類』となります。
SNRIの比較
SNRIには『サインバルタ(デュロキセチン)』、『イフェクサーSR(ベンラファキシン)』、『トレドミン(ミルナシプラン)』があります。
サインバルタ(デュロキセチン)
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規格:20mg、30mg
適応
・うつ病・うつ状態
・下記疾患に伴う疼痛
『糖尿病性神経障害、繊維筋痛症、慢性腰痛症、変形性関節症』
特徴
① 他のSNRIに比べてセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害作用の力価が高い!
② 各種神経伝達物質受容体に対する親和性が弱い!
→ 抗コリン作用、α1遮断作用が軽微
→ 『副作用が少ない!』
③ 『疼痛』に対する適応あり!
(※ 海外では腹圧性尿失禁、全般性不安障害の適応あり)
主な副作用
・悪心(3.87%)
・傾眠(2.23%)
・便秘(2.01%)
・不眠(1.89%)
禁忌
・MAO阻害薬 投与中または投与中止後2週間以内の患者
・高度肝機能障害
・高度腎機能障害
・コントロール不良の閉塞隅角緑内障の患者
イフェクサーSR(ベンラファキシン)
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規格:37.5mg、75mg
適応
・うつ病・うつ状態
特徴
① 低用量(150mg未満程度)では主に「セロトニンの再取り込み」を阻害し、用量が増加するに従い(150mg以上)では「ノルアドレナリンの再取り込み」を阻害する!
(欧米 → 低用量で不安に対する効果が認められている!)
② CYP2D6により活性代謝物である「デスベンラファキシン」に変換される!
(デスベンラファキシン → ノルアドレナリン再取り込み作用が強い!)
主な副作用
・悪心(33.5%)
・腹部不快感(腹痛、肥満、便秘)(27.2%)
・傾眠(26.9%)
・浮動性めまい(24.4%)
禁忌
・MAO阻害薬 投与中または投与中止後2週間以内の患者
・重度肝機能障害
・重度腎機能障害(糸球体濾過量15mL/min未満)
または透析中の患者
トレドミン(ミルナシプラン)
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規格:12.5mg、15mg、25mg、50mg
適応
・うつ病・うつ状態
特徴
① 肝薬物代謝酵素(CYP450)を介さず、直接グルクロン酸抱合を受ける!
→ 薬物相互作用が少ない!
② シナプス間隙のセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み部位への選択性が高い!
→ 三環系抗うつ薬にみられる便秘、口渇、振戦などの抗コリン性の副作用が少ない!
③ 有効性はミアンセリン(四環系抗うつ薬)と同等
主な副作用
・口渇(7.5%)
・悪心、嘔吐(6.0%)
・便秘(5.8%)
・眠気(4.1%)
禁忌
・MAO阻害薬 投与中または投与中止後2週間以内の患者
・尿閉(前立腺疾患等)のある患者
まとめ
抗うつ薬(SNRI)について特徴や違いをまとめました。
・サインバルタ(デュロキセチン)は他のSNRIに比べてセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害作用の力価が高く、副作用も少ない!
・イフェクサーSR(ベンラファキシン)は低用量では『セロトニンの再取り込み』を阻害し、用量が増加するに従いでは『ノルアドレナリンの再取り込み』を阻害する!
・トレドミン(ミルナシプラン)は薬物相互作用が少なく、三環系抗うつ薬に見られる便秘、口渇、振戦などの抗コリン性の副作用が少ない!
引き続き、精神科領域の薬についてまとめていくので是非ご覧ください!
今回の記事を書くにあたり『下記図書』を参考にしました!
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プロフィール

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