【薬剤師向け!】統合失調症治療薬 MARTAとは?ジプレキサ・セロクエル・シクレスト・クロザリルの比較
こんにちは。フリーランス薬剤師のハルです。
フリーランス薬剤師は「即戦力」としての勤務が求められるため、幅広い知識が必要となります!
抗精神病薬は種類が多く、併用もされやすいため『とても複雑な分野』です。
今回は抗精神病薬の中でも多元受容体標的化薬(MARTA)について『特徴』や『違い』などを書きたいと思います。
・薬剤師1〜3年目の人
・抗精神病薬の使い分けに自信がない人
・多元受容体標的化薬(MARTA)の特徴や違いを学びたい人
抗精神病薬 (メジャートランキライザー)とは?

抗精神病薬(メジャートランキライザー)は『統合失調症』や『幻覚』、『妄想』などに用いられます。
強い抗精神作用を持ち、マイナートランキライザーでは対応できない『極度の不安』などを取り除くことができます。

多元受容体標的化薬(MARTA)とは?
多元受容体標的化薬(MARTA : Multi Acting Receptor Targeted Antipsychotics)は、第二世代 抗精神病薬 (SGA : Second Generation Antipsychotic)に分類されます。
統合失調症の『陽性症状(妄想、幻覚)』だけでなく、『陰性症状(意欲減退)』まで改善します。
また、第一世代抗精神病薬の副作用である『錐体外路障害』を軽減することも大きな特徴です。
特徴
① ドパミンD2受容体遮断 + セロトニン5HT2受容体遮断作用
→ 陽性症状(妄想、幻想)を改善 + 陰性症状(意欲の減退)を改善
→ 『第一世代』の副作用である“錐体外路障害”を軽減!
② 『食欲亢進』や『体重増加』の副作用が多い!
→ 糖尿病患者への投与禁忌 (オランザピン、クエチアピン)
③ ヒスタミンH1受容体、アドレナリンα1受容体、ムスカリン受容体への拮抗作用!
→ 強い『鎮静作用』!

『第一世代』 抗精神病薬との違いについては下記ブログをご覧ください!

多元受容体標的化薬(MARTA)の比較
MARTAには『ジプレキサ(オランザピン)』、『セロクエル(クエチアピン)』、『シクレスト(アセナピン)』、『クロザリル(クロザピン)』があります。
ジプレキサ(オランザピン)
規格:1.25mg(ジェネリックのみ)、2.5mg、5mg、10mg
適応
・統合失調症
・『双極性障害における躁症状』及び『うつ症状』の改善
・抗悪性腫瘍剤(シスプラチン等)投与に伴う消化器症状(悪心、嘔吐)
特徴
① 双極性障害における両病相(躁状態とうつ状態)に適応あり!
② 糖尿病患者は禁忌!
→ 『食欲亢進』、『体重増加』の副作用あり
③ 1日1回の服用でOK
④ 水なしで飲める『ザイディス錠(口腔内崩壊錠)』あり
セロクエル(クエチアピン)
規格:12.5mg(ジェネリックのみ)、25mg、50mg、100mg、200mg
適応
・統合失調症
特徴
① 適応は『統合失調症』のみ
② 糖尿病患者は禁忌!
→ 『食欲亢進』、『体重増加』の副作用あり!
③ 1日2〜3回の服用が必要
→ t1/2(半減期)= 約3.6時間
④ 鎮静作用に優れている!
→ ヒスタミンH1受容体、アドレナリンα1受容体への拮抗作用!
シクレスト(アセナピン)
規格:5mg、10mg
適応
・統合失調症
特徴
① 『舌下錠』であり速やかに吸収されるため、効果発現が早い!
→ 服用10分間は飲食を避けること
② 体重や脂質系への影響が少ない!
→ 糖尿病患者は慎重投与 (服用可)
クロザリル(クロザピン)
規格:25mg、100mg
適応
・治療抵抗性統合失調症
特徴
① 適応は『治療抵抗性統合失調症』のみ
② 他の抗精神病薬と一線を画す優れた効果あり!
③ 『顆粒球減少症』の重篤な副作用報告あり
→ 限られた登録施設でのみ使用可能!
まとめ
多元受容体標的化薬(MARTA)についてまとめました。
・ジプレキサ(オランザピン)は『双極性障害の両病相』へ適応あり!(食欲亢進の副作用に注意!)
・セロクエル(クエチアピン)は鎮静作用に優れる!(半減期が短いため1日2〜3回の服用が必要)
・シクレスト(アセナピン)は舌下錠であり速やかに吸収される!(代謝系への影響も少ない!)
・クロザリル(クロザピン)は、他の抗精神病薬と比べて優れた効果!(限られた施設でのみ使用可能!)
引き続き、抗精神病薬についてまとめていくので是非ご覧ください!

今回の記事を書くにあたり『下記図書』を参考にしました!
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